「歩くとつま先が引っかかる」「足首が固くて地面にかかとがつかない」
「足が内側にねじれて歩きにくい」
脳梗塞の後遺症として、足首の固さや内反に悩む方は非常に多くいます。
特に「内反尖足(ないはんせんそく)」と呼ばれる状態は、歩行を大きく妨げます。
リハビリを続けているのに改善しない。
ストレッチしてもすぐ戻ってしまう。
本記事では、
なぜ足首が固くなり、内反してしまうのか
その仕組みを専門的に、しかしわかりやすく解説します。
結論から言うと、
内反尖足の原因は「足首の硬さ」だけではありません。
脳・神経・姿勢・歩き方が複雑に関係しています。
結論:内反尖足は「足首だけの問題」ではない

内反尖足とは、
・つま先が下を向く(尖足)
・足裏が内側を向く(内反)
この2つが同時に起こる状態です。
多くの方が
「足首が固いから仕方ない」
と思っていますが、実際は違います。
本当の原因は、
脳からの指令異常と身体の使い方の崩れです。
内反尖足とはどんな状態か

内反尖足になると、次のような特徴が見られます。
・かかとが地面につかない
・つま先から着地する
・足首が内側にねじれる
・靴の外側だけがすり減る
・歩くたびにバランスを崩す
これらはすべて、
歩行の安全性と効率を大きく下げます。
脳梗塞で足首が固くなる理由

まず理解しておきたいのは、
足首が固くなる=関節が壊れたわけではない
ということです。
筋肉のつっぱり(痙縮)が主な原因
脳梗塞によって、
筋肉をゆるめる指令が弱くなると、
筋肉は勝手に縮もうとします。
特に影響を受けやすいのが
・ふくらはぎ
・足首を内側にひねる筋肉
これらが常に緊張すると、
足首は動かしにくくなります。
動かさないことでさらに固くなる
動かしにくい → 動かさなくなる
この悪循環で、
関節や筋肉の柔軟性が低下します。
足が「内反」してしまうメカニズム

内反は、単なる癖ではありません。
内側の筋肉だけが強く働いている
脳梗塞後は、
足首を外に向ける筋肉よりも、
内側に引き込む筋肉が優位になります。
その結果、
足が自然と内側へ倒れ込みます。
バランスを取ろうとする代償動作
身体は倒れそうになると、
無意識に安定しようとします。
足を内側に倒すことで
立位を保とうとするケースも多く、
これが内反を固定化させます。
なぜストレッチだけでは改善しないのか

「毎日ストレッチしているのに戻る」
これは非常によく聞く悩みです。
原因は「脳の指令」が変わっていないから
ストレッチは
一時的に筋肉を伸ばすことはできます。
しかし、
脳からの誤った指令が続いていれば、
筋肉はすぐ元に戻ります。
動きの中で学習し直す必要がある
内反尖足の改善には、
動作の中で正しい使い方を覚え直すこと
が不可欠です。
内反尖足が歩行に与える悪影響

内反尖足のまま歩くと、
次の問題が起こります。
・転倒リスクの増加
・膝や腰への負担増大
・歩行速度の低下
・疲れやすさ
・痛みの出現
「歩けているから大丈夫」
ではなく、
身体に無理をさせながら歩いている状態
であることが多いです。
改善のカギは「正しい姿勢」と「荷重のかけ方」

内反尖足を改善するうえで、
最も重要なのは足首そのものではありません。
正しい姿勢が取れているか
・骨盤が後ろに倒れていないか
・体が麻痺側へ倒れていないか
・上半身がねじれていないか
姿勢が崩れると、
足は正しく使えません。
かかとに体重が乗っているか
内反尖足の方は、
つま先や外側に体重が偏りがちです。
まずは
「かかとで立つ感覚」
を取り戻すことが重要です。
自宅でできる改善のヒント

安全に行える内容に限定します。
立位での重心確認
壁や手すりを使い、
かかとに体重を乗せる練習を行います。
足首を無理に動かす必要はありません。
ゆっくり足首を動かす
反動を使わず、
ゆっくりと足首を上下・左右に動かします。
スピードは重要ではありません。
歩く前の準備を大切に
いきなり歩くのではなく、
姿勢を整えてから歩き出すことで、
内反が出にくくなります。
改善が進まないときに見直すポイント

・装具が合っていない
・靴の形が合っていない
・歩くスピードが速すぎる
・疲れた状態で無理に歩いている
・姿勢の崩れを放置している
これらがあると、
改善は止まってしまいます。
訪問リハ・自費リハでできること

内反尖足は、
評価の精度が結果を左右する症状です。
訪問リハ・自費リハでは、
・どの筋肉が原因か
・どの場面で内反が強まるか
・姿勢との関係
・歩行中の細かな癖
を総合的に評価できます。
そのうえで、
本人に合った改善アプローチが可能になります。
まとめ:内反尖足は今からでも変えられる

脳梗塞による内反尖足は、
「仕方ない後遺症」ではありません。
原因を正しく理解し、
姿勢・動き・荷重のかけ方を見直すことで、
今からでも変化は期待できます。
大切なのは、
足首だけを見るのではなく、
身体全体と脳の学習を考えること。
諦める前に、
一度“使い方”を見直してみてください。
足は、まだ変われます。