「麻痺している手がパンパンに腫れている」
「夕方になると足が靴に入らない」
「リハビリをしているのに、むくみが全然引かない」
脳梗塞の後遺症として、**手足の浮腫(むくみ)**に悩む方は少なくありません。
見た目だけでなく、
・動かしにくい
・重だるい
・痛みや違和感がある
といった症状につながり、生活の質を大きく下げてしまいます。
しかしこのむくみ、
「年齢のせい」「動かないから仕方ない」
と片づけられてしまうことも多いのが現実です。
本記事では、
なぜ脳梗塞後に浮腫が起こるのか
なぜ長引きやすいのか
そして改善のために本当に大切な視点を、専門家の立場からわかりやすく解説します。
結論:脳梗塞後のむくみは「循環の問題+使い方の問題」

まず結論からお伝えします。
脳梗塞後の浮腫は、
単なる水分の溜まりではありません。
主な原因は、
・血液やリンパの流れが滞ること
・麻痺によって「動かし方」が失われること
この2つが重なって起こります。
つまり、
むくみは体のサボりではなく、使えなくなった結果として起こる現象です。
浮腫(むくみ)とは何が起きている状態か

浮腫とは、
血管の外に水分が漏れ出し、
皮膚や皮下組織に溜まった状態です。
指で押すとへこみが戻りにくい
皮膚が突っ張る
重く感じる
こうした症状が代表的です。
なぜ脳梗塞で浮腫が起こりやすいのか

筋肉が動かない=ポンプが止まる
本来、
筋肉は「ポンプ」の役割をしています。
動くことで、
血液やリンパ液を心臓へ押し戻しています。
しかし脳梗塞によって麻痺が起こると、
このポンプ機能が大きく低下します。
結果として、
水分が末端(手足)に溜まりやすくなります。
重力に逆らえなくなる
特に手や足は、
心臓から遠く、重力の影響を受けやすい部位です。
動きが少なくなると、
水分は下に溜まり続けます。
これが、
・足首がパンパンになる
・手がむくんで指輪が外れない
といった状態につながります。
感覚低下がむくみを悪化させる
麻痺側では、
感覚が鈍くなっていることが多くあります。
そのため、
・締め付け
・姿勢の悪さ
・圧迫
に気づきにくく、
気づかないうちに循環をさらに悪くしているケースも少なくありません。
むくみが起こりやすいタイミング

浮腫は、常に同じ強さで出るわけではありません。
次のような条件で強くなりやすいです。
・長時間同じ姿勢
・座りっぱなし、寝たきり
・夕方以降
・疲労が溜まっているとき
・寒さで血管が収縮しているとき
これらはすべて、
循環を悪くする要因です。
よくある誤解「むくみ=水分の取りすぎ」

むくみがあると、
「水分を控えた方がいいのでは?」
と考える方も多いです。
しかし、
水分不足は血液をドロドロにし、
かえって循環を悪化させます。
※医師から制限を受けている場合を除き、
適切な水分摂取はむくみ改善に重要です。
マッサージだけでは改善しにくい理由

むくみ対策として、
マッサージを受けている方も多いでしょう。
一時的にスッキリしても、
すぐ元に戻ってしまうことはありませんか?
これは、
根本の原因(動き・姿勢・使い方)が変わっていないためです。
浮腫改善で最も重要なのは「姿勢と使い方」

姿勢が悪いと循環は止まる
体が傾く
肩が落ちる
骨盤が崩れる
こうした姿勢では、
血管やリンパ管が圧迫され、
流れがさらに悪くなります。
「正しく使う」ことで流れは戻る
重要なのは、
たくさん動かすことではありません。
・どの姿勢で
・どの関節を
・どんな順番で使うか
これが整うことで、
少しの動きでも循環は改善します。
自宅でできる浮腫改善のヒント

※安全に行える一般的なポイントです。
心臓より少し高い位置を作る
横になったとき、
クッションなどで手足を軽く持ち上げるだけでも、
水分は戻りやすくなります。
ゆっくりした関節運動
反動をつけず、
ゆっくりと関節を動かします。
速い動きは、
痙縮や緊張を高める可能性があります。
深い呼吸を意識する
呼吸も循環の一部です。
特に吐く息を長くすることで、
全身の緊張が下がりやすくなります。
むくみが改善しにくい人の共通点

・麻痺側をほとんど使っていない
・姿勢が常に崩れている
・痛みや不安が強い
・「動かすと悪くなる」と思っている
こうした心理的要因も、
体の緊張を高め、循環を妨げます。
医療的に行われる浮腫への対応

医療現場では、
・弾性包帯
・弾性ストッキング
・薬物療法
などが選択されることもあります。
これらは
対症療法であり、
使い方が変わらなければ根本改善には至りません。
訪問・自費リハビリが浮腫に強い理由

浮腫は、
生活環境・姿勢・動作の積み重ねで起こります。
訪問や自費リハビリでは、
・普段の座り方
・寝方
・動線
・日常動作
まで含めて評価し、
その人に合った改善方法を組み立てられます。
まとめ:むくみは「体からのサイン」

脳梗塞後の浮腫は、
放っておいていい症状ではありません。
しかし同時に、
体が「今の使い方はつらい」と教えてくれているサインでもあります。
正しい知識と視点を持ち、
姿勢と使い方を整えることで、
今からでも変化は十分に期待できます。
むくみに振り回される毎日から、
少しずつ抜け出していきましょう。
体は、
使い方次第で必ず応えてくれます。