「この装具、一生つけないといけないんですか?」
脳梗塞後、内反や内反尖足に対して装具を使っている方から、最も多く聞く言葉です。
歩くために必要だとわかっていても、
・見た目が気になる
・動きにくい
・本当は外したい
そう感じている方は少なくありません。
実は、装具は“固定するためのもの”ではなく、卒業を目指すものです。
内反の原因を正しく理解し、身体の使い方を変えられれば、
装具が不要になるケースは決して珍しくありません。
本記事では、
内反を改善し、装具を外すために本当に必要なことを
専門的かつわかりやすく解説します。
結論:装具を外せるかどうかは「足首」ではなく「使い方」で決まる

まず結論からお伝えします。
装具が外せるかどうかは、
・足首の硬さ
・筋力の強さ
だけで決まるものではありません。
最も重要なのは、
姿勢・体重のかけ方・歩き方です。
内反は結果であり、
原因は身体の使い方にあります。
なぜ装具が必要になるのか

装具が処方される主な理由は次の3つです。
・足首が内側に倒れて不安定
・つま先が引っかかり転倒しやすい
・正しい位置で足を接地できない
装具は、
**安全に歩くための「補助」**として非常に有効です。
しかし、
装具をつけたまま「使い方」が変わらなければ、
内反は改善せず、
結果として「外せない状態」が続いてしまいます。
多くの人が誤解している「装具=治療」という考え

装具は治療そのものではありません。
装具は
・足の位置を整える
・転倒を防ぐ
・歩行を安定させる
ための道具です。
つまり、
装具をつけているだけでは内反は治らない
ということです。
治療に必要なのは、
装具を使いながら
「正しい身体の使い方」を身につけることです。
内反がなかなか改善しない本当の理由

内反が改善しない方には、共通点があります。
足首ばかりを気にしている
・ストレッチ
・マッサージ
・関節運動
これらは悪くありませんが、
足首だけを見ていても限界があります。
麻痺側に体重をかけられていない
無意識に健側に体重を逃がし、
麻痺側の足は「支え」として使えていない。
この状態では、
足は内側に倒れ続けます。
装具を外すために最初に見直すべき「姿勢」

内反改善の第一歩は姿勢です。
骨盤が後ろに倒れていないか
骨盤が後傾すると、
足首は自然と固まり、
内反が強く出ます。
上半身が麻痺側に倒れていないか
体が倒れると、
足はバランスを取るために内側へ倒れます。
姿勢が整うだけで、
内反が軽くなる方も多くいます。
体重のかけ方が内反を左右する

内反がある方の多くは、
足の外側やつま先に体重が偏っています。
かかとに体重が乗っているか
装具を外すためには、
「かかとで支える感覚」が不可欠です。
かかとに体重が乗ると、
足首は自然と安定します。
歩き方を変えない限り、装具は外せない

歩行は、内反を最も強く固定する動作です。
速く歩きすぎていないか
速い歩行は、
内反を抑える時間を奪います。
分回し歩行になっていないか
足を外に振り出す歩き方は、
内反尖足を助長します。
装具を「外す準備」としての正しい使い方

重要なのは、
「いきなり外す」ことではありません。
装具ありで正しい動きを覚える
・正しい接地
・正しい体重移動
・正しい姿勢
これを装具ありで学習します。
短時間・安全な環境で外す練習
自宅やリハビリ中など、
転倒リスクの低い場面から始めます。
自宅でできる内反改善のヒント

※安全第一で行ってください。
立位での重心確認
鏡の前で、
かかとに体重が乗っているかを確認します。
ゆっくり立ち上がる練習
勢いを使わず、
麻痺側の足で床を感じながら立ち上がります。
歩く前に姿勢を整える
一呼吸おいてから歩き出すだけでも、
内反の出方が変わります。
装具を外せた人に共通する特徴

これまで多くのケースを見てきて、
装具を外せた方には共通点があります。
・焦らなかった
・正しい動きを優先した
・「できない日」も受け入れた
・一人で抱え込まなかった
装具卒業は、
短距離走ではなく長距離走です。
訪問リハ・自費リハが有効な理由

内反と装具の問題は、
個別評価がすべてと言っても過言ではありません。
訪問リハ・自費リハでは、
・装具が必要な理由
・外せる可能性
・どこがボトルネックか
を明確にしたうえで、
その人専用の改善プランを立てられます。
まとめ:装具は「ゴール」ではなく「通過点」

装具は悪いものではありません。
しかし、ゴールでもありません。
内反を改善し、
装具を外すために必要なのは、
筋力よりも、
正しい姿勢・正しい体重移動・正しい歩き方です。
「一生このままかもしれない」
そう感じている方にこそ、伝えたい。
身体は、
使い方が変われば、
今からでも変わります。
装具は、
外すために使うものです。